クリーンカラーⅡはいいぞ
ブログの1つ目の記事を何にするか考えたとき、昔から愛用している画材について語ってみようと思った。
それが呉竹の水性ペン ZIG クリーンカラーⅡ。
この記事では、クリーンカラーⅡについての大まかな説明と、クリーンカラーⅡを実際に使ったメイキングをまとめてみる。
クリーンカラーⅡの特徴
特徴1:2種類の先端
見ての通りツインタイプで、太い方が1.2mm、細い方が0.5mmになっている。
どちらも(ブラシ・筆タイプに比べると)安定した線が引ける。
今回はイラストを描く用途での紹介だが、
ノートや手帳に文字を書くのにも便利で楽しいペンである。
特徴2:水でぼかすことができる
クリーンカラーⅡというより呉竹のクリーンカラーシリーズの特徴なのだが、
水彩用の紙を使えば、絵の具と変わりなく綺麗にぼかすことができる。
水をつけた筆で上からなぞってやれば混色も可能。
たとえば太い筆でこんなものを描いて
水筆で内側を塗る
乾いてから、細い方で少し描き足してこんな感じになった。
水筆とあわせて簡単お手軽ラクガキに便利。
特徴3:色数が豊富
正確には何色あるのか知らないが、とにかく色数が多い。
色番号が共通しているリアルブラッシュは89色(+ブレンダー)のようだし、
クリーンカラーⅡもそのくらいあるんじゃなかろうか。
少なくとも私は40色以上持っている。持ってない色もまだたくさんある。
水彩風のイラストを楽しめる競合製品として
なんかを思い浮かべた人も多いだろうが、
これらに比べて色数が圧倒的に多いのが呉竹クリーンカラーシリーズの強み。
上にあげた競合製品もそれぞれ長所があるし、併用しても楽しそう。
特徴4:発色が美しい
完全に感覚だし主観なんだけど、とにかく発色が美しい!
「クリーン」カラーの名の通り、透明感がある色。
多数の色を混ぜたような、濁った色はほぼない…と思う。
水でぼかした時も素直にのび、色が複数に分解することはない。(黒インクを伸ばしたら紫と青に分解するとか、そういうのはない)
特徴5:価格が安い
1本100円+税。安い。圧倒的に安い。
学生の財布にも優しいので、中学生の頃ノートをとるのに愛用していた。
リアルブラッシュとの比較
先ほども少し出てきたリアルブラッシュは、クリーンカラーと同じシリーズで呉竹の製品だ。
インクは共通なので、色番号や発色、水でのぼかしやすさは同じ。
「リアルブラッシュ」の名の通り、こんな感じの筆状になっている。
クリーンカラーⅡ | リアルブラッシュ | |
---|---|---|
強弱のつけやすさ | △均一な線は引きやすい | ◎自由に強弱をつけられる |
先端 | 2種類(1.2mm、0.5mm) | 1種類(筆状) |
丈夫さ | ◎ | △筆状なので乱暴に扱うのはやめよう |
価格 | 100円+税 | 200円+税 |
入手しやすさ | △画材店であまりみない | ○ 店頭で見かける |
筆タイプのリアルブラッシュの方が塗りやすそうじゃない?と思う人も多いだろう。
実際、リアルブラッシュの方がイラスト用としてプッシュされており、画材店や東急ハンズで売られていることが比較的多い気がする。
でも!クリーンカラーⅡにはクリーンカラーⅡの良さが!!!あるんです!!!
クリーンカラーⅡは不器用な人に優しい。
筆で細くて綺麗な線引くの、難しくない?私のような不器用な人間にとっては難しい。
不器用な上にガサツだったりすると、筆の穂先が割れてしまったり曲がっちゃったり…
補足しておくが、リアルブラッシュを使っていて、すぐに穂先がダメになったことはない。ただ、水彩用の細筆をダメにした記憶から、わりと丁寧に扱うよう気を使ってしまって、ちょっと疲れるという…
おまけに筆で線を引くのが下手だから、へろへろふにゃふにゃのタッチになりがち。
リアルブラッシュは素晴らしいポテンシャルを持った画材ではあるのだが、不器用ガサツ人間からすると、ちょっと肩がこるのだ。
「筆は扱い慣れていて気軽に落書きできるペンが欲しい」という人なら何の問題もないので、迷わずリアルブラッシュを買ってください。発色いいし使ってて楽しいよ。
クリーンカラーⅡはペンタイプなので、多少雑に扱っても大丈夫だし、細い方のペン先で鉛筆のような感覚で線が引ける。これがめちゃくちゃ便利。
そういうわけで不器用、筆が苦手だけど水彩のぼかしを楽しみたい、という人にはクリーンカラーⅡの方がおすすめ。
メイキング
最後に、クリーンカラーⅡの使用例をメイキングでざっくり紹介。
完成図はこれ。
線画
まずは線画。
昔々デジタルで描いたラクガキを印刷して、トレス台でざっくりトレス。
塗り終わったらまた線をなぞって濃くするので、細かい強弱はあんまり気にしない。
使用した紙はマルマンのスケッチブック。
水彩用紙のほうがぼかしやすいけど、一応ペンの布教のためのメイキングなので持ってる人が多そうなコイツを採用。
肌の塗り
まずは肌から塗る。
こんなかんじでオレンジ(No.52)とピンク(No.21)を細い方でかいて、水筆でぼかす。
水筆は色々買ったけど、サクラの中サイズがお気に入り。
色の境界をはっきりさせたい時は、こんな感じで境目の線を引いてから片がだけぼかす。
こんなかんじになりました。前髪の落ちカゲも同様に【境界をかく】→【片側だけぼかす】ように塗りました。
髪を引っ張ってる方の手等、境界控えめな塗りをしてる部分は、別の紙にペンで色を出して、それを水筆で溶かして色をのせてます。
続いて目の塗り。先に薄桃色(No.28)でアクセントカラーを置く
↓
灰みの青でハイライトを残して縁取る(No.92)
↓
水筆でぐじぐじぼかす、物足りないところにはNo.9を追加
ちょっと色が薄くて物足りないので、この先髪を塗るときにちょこちょこ色を濃くしてます。
髪の塗り
髪のハイライト?天使の輪?を意識しつつ、薄桃色(No.28)でアクセントになる色をおきます。太い方のペン軸でぐいぐい〜っと線を引いて、片側にぼかしぼかし。
薄桃色が乾くのを待つ間に、下の方にざっくり色を置く。太い方でフチを描いてぼかして「あっやべ滲み方汚くなっちゃった」と思っているところです。
後からごまかせばなんとかなるなる〜気にせず次行こう。
細い方のペン先で、髪の流れに沿ってシャッシャと色をおきます。ハイライトを意識して白を残しつつ。
それから下に向かって色が薄くなるように水筆でぼかしぼかし。
この繰り返しでドンドン塗って行きます。
全体的に髪を塗り終わりました。いつのまにかマツゲにも色が塗られている…
はじめに耳の下あたりにおいた色が乾いたので、【細ペンで色おき】→【水筆ぼかし】で加筆してます。
その他と仕上げ
メガネに適当に茶色をおきました。同じことの繰り返しなので説明することがなくなってきました。
服も同じように、色を置く→水筆でぼかすの繰り返し。
だいたいぬれた。
最後の仕上げ、クリーンカラーⅡの便利さを感じるところです。
デジタルで色トレスをするときのように、塗りに使った色で主線をなぞる。肌はオレンジ、髪は灰青といった具合で。
このとき細い方のペン先がめちゃくちゃ使いやすい。適度に細くて強弱も多少つけられて、はらいもまあまあ表現できる。便利〜!!!
最後に線を起こすとキリッと引き締まるし華やかさも増すし、大好きな工程。
日付とサインを入れて完成!
おつかれさまでした。
さいごに
昔からお世話になってるクリーンカラーⅡ、売ってる場所が案外少なくて寂しいので、少しでもユーザが増えると嬉しいです。
そういえば毎年池袋で開催している画材ショーで呉竹のブースにお邪魔した際、ZIG Art & Graphic Twinなる商品を試供品としていただきました。
え、これ散々上で褒めちぎった細い線が引けて、反対側はコピックのブラシのようにしなやかなブラシ(軟筆芯)になってる。
色数も全80色(+ブレンダー)ある…
ぼかせるのは同じだし発色もすごくいい…
…
Art & Graphic Twin、おすすめです!!!
あっでもArt & Graphic Twinの価格は250円なので、手軽にはじめるならクリーンカラーⅡかな。
あとノートをとるときも使いやすいので、とにかく一度クリーンカラーⅡを手にとって欲しい。
呉竹のインクの発色の美しさを知ってくれ。